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柴田直人・特別インタヴューPart2: プロローグ3と今後について(1/4)

3月 24th, 2010

プロローグ1&2

Part2: プロローグ3と今後について

—-続いて、「プロローグ3」についてお伺いします。改めてどんな内容になるのか、教えていただけますか?

柴田:はい。まず、ヒロヤが在籍しているDEADCLAWは、すごくピュアなスラッシュメタルをやるバンドと僕は認識していますし、森川が率いるTHE POWERNUDEは、すごくハードなロックンロールバンド。TYOは同じロックンロールとはいっても、もうちょっと角度の違う…例えば、日本にはいろんなロックンロールバンドがいますが、それともまた違ってPOPさをもっていて。

—-TYOは結構濃いメンバーですよね。

柴田:えぇ。それぞれのキャラが色濃く出て、ポップにまとまっている、というイメージがすごく強いんですよね。(この3バンドは)決定的にANTHEMとは全バンド別のカテゴリーに属する音楽なのですが、企画の意図としては音楽の共通性ではなくて、彼らはかつてANTEHMにいました、と。期間が短かろうが長かろうがその時間というのは彼らの心の中におそらく今でも残っているでしょうし、例えば普段の生活の中で、もちろん音楽をやる時も、右に行こうか左に行こうか、進もうか下がろうか、といった全ての判断の中に、多かれ少なかれANTHEMにいた時の経験が絶対に影響しているはずだ…、と。

そういうことで、言葉にすると大げさなのですが、ANTHEMの血統というか、遺伝子というか、みたいなイメージをずっと考えていたんです。ですから、そういう意味では音楽性が全然違ってもおそらく本番で彼らは彼らなりに、ANTHEM細胞っていうか、ANTHEMの血統をきっと集まってくれたみなさんに見せてくれるはずですし、それを受けて僕ら現在ANTHEMというバンドをやっているこの4人は、徹底的に現状のANTHEMを表現する…、と。形だけ見ると異種格闘技に見えるかもしれないのですが、そういう角度で見ると、”同胞相まみえる”っていう事だと思うんですよね。

—-それが「プロローグ3」のサブタイトルである「THE LINKAGE」というか…。

柴田:そうです。それで、ずっと僕がイメージしている言葉に…、伝わりにくいのであまり話してはいないのですが、”因果律”という言葉がありまして…、これは、いかなる事象も時間的に過去に起こった事を原因として起こる…、という哲学的な考え方からくる言葉なのですが…。そういう発想から(この企画は)出てきました。かつて、ある一定期間、彼らは全員ANTHEMにいた…、それがなければ、彼らの今の人生はないんだ、と。

もちろん僕らもそうですよね。その途中には良い事も悪い事もあっただろうけど…。

ただ、(いろいろな立場や仕事や音楽)全くジャンルは違う。これこそまさしく”因果律”だと思います。あの頃、アマチュア時代にトニーがいなかったら、大内が俺に会わなかったら、ヒロヤがバンドに参加しなかったら、英三が辞めて森川をヴォーカリストとして迎えなかったら、ということを考えると、僕の中ではすごくこの企画は楽しみなんです。間違いなく彼らは100%以上の力で「今の俺ってこうです!」と表現するはずです。でも、その中には、彼らさえひょっとしたら気付かないかもしれないですし、ひょっとしたら誰にもわからないかもしれないのですが、僕は確実にANTHEMの血統がある、と信じているんですよ。なので、願わくば、(プロローグ3が)ANTHEMまで終わった時に、ANTHEMというバンドがここまで続いてきた理由が、彼らと現在のANTHEMを通して来ていただいたお客さんに「なるほど」というふうに感じていただけるような企画になると素敵だなぁと思っているのですが…。なんとなくでもいいのですけどね。

—-全てのメンバーがいたからこそ今があり、その積み重ねがそれぞれのバンドでもある、ということでしょうか。

柴田:そうです。

—-なるほど。すごいライヴになりそうですね。

柴田:もちろんANTHEMも長い時間やりますし…、1時間やそこらでは終わるつもりはありませんよ。総合的にみると3時間を超える可能性も現時点ではあります。僕としては(今回の「プロローグ3」のような企画は)初めてのことで、ある種イベントなのですが、全然イベントの感じがしないんです。周りのスタッフは,全てがものすごく能率的に機能しないとトラブルなく進まないので戦々恐々としていますが(笑)、僕の中では楽しみでしょうがないんです。僕も彼らが何をやるか早く観たいですし。当然、同じステージに立つことで今のANTHEMを、彼らはオーディエンスとして見る以上に体験してもらえるわけですし。まさしく、強固な「LINKAGE」を生める、と思いますけどね。

—-早くその3バンドのライヴが見たくてしょうがないんじゃないですか?

柴田:そうですね。ですから、敢えてバンドの状況とかリハーサル状況とか、僕は聞いていませんし。とにかく本番…、蓋を開けてみて全てがどうなるか、お客さんと共に楽しみたいです。

—-ちなみにですね、僕は今回、「プロローグ3」のセットリストを予想してきたのですが…。

柴田:おおおぉ、マジですか!? ついこの間、セットリストをA、B、C案と、バンドのミーティングで検討していたところです。

—-ちょっと見ていただけますでしょうか?

柴田:(1分ほど無言で見入った後)考え方としては、僕のミーティングに盗聴器が仕掛けられたと思うほど正しい考え方ですよね。まだ決まったわけではありませんが。

—-本当ですか!

柴田:A、B、C案あるうちのB案に一番近いですけど、ただ、たぶんB案ではなくなるので…。あと、アンコールをこんなにやったらみんな帰る電車が無くなってしまいますね(笑)

—-やっぱり(笑)。方向性があっていて良かったです。これを「プロローグ3」終了後に公開してよろしいでしょうか?

柴田:もちろんどうぞ。

—-ありがとうございます。思わずてんこ盛りにしてしまいましたが、でも、夏のツアーがまだある、ということを考えると、逆にその夏のツアーでどこまでやるんだろうな、というふうに思いながら作っていたのですが…。

柴田:夏のツアーに関しては内容を煮詰めているところです。いろんなミーティングの中で…、例えばゲストを呼ぼう、という案がありました。ANTHEMをリスペクトしているバンドが…、例えば誰々…とかね。でも、そいうのは必然性が僕の中ではなくて。例えば著名人の誰々がANTHEMが好きだと言っているので、ゲストに出ていただきましょう、と…。ただ、それは漫画家さんであろうが、ミュージシャンであろうが、性格的に、そういうことではないものが好きです…。僕たちの活動って、関わってくれたメンバーやいつも支えていただいているスタッフやファンの方々がいて、初めて地に足が付いてここまで来れたんです…。やっぱりここは単なる華やかさや派手さではなくANTHEMの音楽やその背景に特化すべきだろうと思います。一方、20周年の時にもう大概のことはやってしまいましたので、どこまで変えられるのか…、というのはわかりませんが、いろいろきめ細かく考えて、もっと面白くしたり、喜んでいただけたりする可能性はいっぱいあると思っています。今、「プロローグ3」の直前ですが、それと並行してスタッフミーティングがしょっちゅう行われている状況です。20周年の時よりも、濃い内容にしたいと考えています。

柴田直人・特別インタヴューPart2: プロローグ3と今後について(2/4)

3月 24th, 2010

プロローグ1&2

—-なるほど。再結成されてから、約10年経ちますが、ここまでやってきて、バンドとしての成長を肌で感じますか?

柴田:ある意味ではANTHEMは、特にこの10年間、もっと言うと25年間、根本的なものは変わらないんです。自分達が本当に好きだと思うものを必死で作って、それを本気でライヴにかける。それを見ていただいて、好きだ、と言っていただければ最高に幸せですし、もし、こんなものは価値がない…、と言われれば、それは仕方がないんだと思います。音楽という部分においては、過去に参加したメンバーも今のメンバーも、本当にバンドに賭けていて、時間も取って取り組んでいます。そういう部分では何も変わりません。例えばメンバーが変わり、ベース、ドラム、ギター、ヴォーカル、それぞれ、その時々で、目指すものはあったと思いますが、根本に、ANTHEMはこういうバンドで居続ける続ことが気持ちいい、続ける魅力がある、という思いが変わらないんです…、まあ、あくまでもプレイする方としての考えですが。各時代それぞれに、実にキャラの強いメンバーがいて、その時々でベストを尽くし、色んな作品を残してきました、僕はそれを誇りに思っています。その作品を作るために集まったメンバーと彼らとの全ての作業をね。

で、再結成をするにあたって僕が思い描いた4人が、ここ10年間変わらないできました。ともすると、誰がリーダーだかわからないような時もありますし(苦笑)、僕が引っ張られたり勇気づけられたりすることだって多々あります…。正直、男が4人集まると、いろんな事がありますよ。それを、いとも簡単に、何もなかったように自然に乗り越えられるこのチームワークを、ミュージシャンとしてはもちろん、やっぱり人間としてとても大事にしたい…、と思っています。「ロックバンドってそうもんじゃないじゃん。なんかさあ、ケンカし合って、殴り合ってさあ…」、というのは違います、だいたい逃げや言い訳の場合が多い。もちろん、意見が食い違うことがあったりもします。それはあくまでも、自分達がやりたい、本当に良いと思える音楽を作るためのものであって、力の誇示や人間関係を壊すためのものではありません。そういう意味では、信頼関係はもう本当に揺るぎないものがあります。

例えば本間君が事故に遭って故障した時も、1年間でだめなら2年間待つつもりで、僕も清水も英三もいましたし。例えば英三の調子が悪ければ、清水の調子が悪ければ、と考えると、彼らの代わりになってツアーを乗り越えたり、レコーディングをしたり…、才能のある人は、ギターにもドラムにも、ヴォーカルにもいっぱいいます。ただ、そういうことではないんですよね。「アイツは時々にムカつくけど、でも、なんか一緒にいて楽しいよ」っていう…。これは僕と英三の関係ですね(笑)。「アイツは俺より一回り下なのに、なんて正しいんだろう」…。まぁ、僕が正しい正しいって言うので、みんな清水には非常に品行方正なイメージを抱いているかもしれませんが、出さないだけで、とてつもなく男っぽいガッツ溢れる男でよ。本間君は、ただただ寡黙で…、職人、というキャラでいっていますが、そんなことはなくて、実は彼が一番、発想も、行動力も含めて、一番ロックンローラーであることを知らない人はたぶんいっぱいいるでしょうね(笑)。ついでに言うと、いつも正しいことを言って、絶大な推進力を持ってバンドを引っ張る、というイメージを僕に抱いているかもしれませんが…、まあ、もちろん努力はしていますが、実は同じ人間だとは思えないほど、幼稚なくだらない男ですよ、僕は(苦笑)。ただ熱意はもちろんありますよ(笑)。…そういう、普段表に出ないところで本当にこの4人は結び付いています。

今は、個人個人の成長がバンドのリレーションシップにそのまま結び付くような関係なんですよ。ですから、例えば一人がすごく調子が悪くても、他の人間が一生懸命フォローし合うような…。

—-自然治癒力、というか…。

柴田:そう。そうかと思うと、「まじめなだけでは音楽ってつまらないじゃん」と。「失敗しようが、後で反省しようが関係なく、勢いだけで行っちゃおうよ」というような所も取り込みつつ…。と、考えると、やっぱり20周年がひとつのきっかけだとは思うのですが、20周年の前と後では、バンドの中の空気が全く違います。20周年の後に、「このまま盛り下がるのはいやだね」と言って頑張って作ったIMMORTALがやっぱりその引き金になったと思いますね。より、個人個人、自分に対しても相手に対しても欲張りになりつつ、バイ菌が入ってきて誰かが傷付いたりすると自然に全員でフォローする、みたいな。そういう意味では、多少ですが進歩はしているのでしょうね。僕らはよく、進化進化っていっていますが、同じメンバーで同じパートで、同じバンドをやっていますので、進化といってもアルバム一枚一枚が全く別のバンドのようになることはない代わりに、毎作、本気でANTHEMの魅力を全員で引き出す気でいます。なので、IMMORTALみたいな性格のアルバムとBLACK EMPIREみたいな性格のアルバムが、おそらく作れたのでしょうね。

—-メンバー間の絆であったり、誰かが調子が悪い時にリカバリーできたり、というところがクオリティにも結び付いてきているような気もするんですよね。

柴田:そうですね。でもね、絶対に傷の舐め合いはしないところがまたすごいんですよね。だめなものは絶対だめ、いけないことは絶対いけない…。例えば、きちっとプレイしなきゃいけない部分も曲の中にはあったりして、(こだわるべき)いろんなことがあるわけじゃないですか。そういう、お互いに対して甘やかさない、甘えない、というのも同時にあります。25年やってきて、この間の「1&2」が今まで見た中で一番タイトだった、と言われてみると、やっぱりそういうことが進化として表れているのかもしれないと思いますね。個々が、自分にも相手にも同じだけ厳しく、だけど、全員同じ方向を向いている、というような…。「俺達もっとすごくなれるのかい?」ではなく、「俺達もっとすごくなりたい」と、いつも本気で思っています。

—-曲にのめり込む、というところのこだわりであのライヴができる、というのは、できそうでできないと思うんですよね。

柴田:どうなんでしょうね…、世間には上手いバンドも山ほどいますし、チームワークのいい人達も山ほどいますよ…。僕らがそういう範疇に入るかどうかはさておき、常に、今日よりは明日、明日よりは明後日、今月よりは来月、今年よりは来年、というふうに、「もっとすっごいロックバンドになりたいよね」、「もっとロックしたいよね」、「もっと楽しみたいね」と、なんかそういうことばっかり考えていますね。ですから、「これでいいや」というのは、おそらくないんでしょう(笑)。

—-そう、他のインタビューで、中途半端にやると擦り減っていく、ともおっしゃられていましたよね。

柴田:あくまでも僕の経験ですが、「まぁいいか…」というのが積もり積もると、あるタイミングであっという間に解散したり、突然凄まじいほど険悪になったり…、そういうことを見て見ぬふりをしながらCDをずっと制作したりライヴをやったりしていくと、気が付いたら自分のバンドをあまり愛せなくなっていたりするんです。僕が言う、擦り減る、というのはそういう事なんです。ですから、ま、すごく大枠で「楽しく、もっとすごくなろうよ」と言っているのですが、やっぱり個人個人、自分に対して相手に対して求めるもののレベルは譲らないでいく…、というのはとても大切な事だと思います。

—-世の中の作品には、バンド自らがのめり込めるような、一生懸命になれるような楽曲ができていないのかな、と感じるものもあったりしますよね。

柴田:わかりませんが…、僕らはこの間、新作の録音を延期したのですが、その理由は、やっぱり根本的にそういう思いがあるんですよ。まあまあなものを作るつもりでCD制作に入ると、とんでもない事態になるような気がします。ですから、仮に僕らが「これだろう!」と盛り上がってリリースした作品が世間に受け入れられなくても、そういう精神で音楽をやること、もしくは、そういう精神でい続けられる環境を重要視するんですよ。手前味噌ということではないのですが、自分達で愛し続けられるものが揃わない限り、作品に残すのは、本当に擦り減ります…。また、例えば、僕らの周りにもいろんなスタッフがいます。照明さん、PAさん、バックラインのテクニシャン、イベンター、雑誌の方、もちろん、ビクターエンタテインメント…。いろんな方の中から、一つ抜け、二つ抜け…、歯が抜けていくように、バラバラになっていくような事を、僕はANTHEMの最初の10年間でいろいろ経験しました。ま、若かったので分からなかったのですが…。再結成した時には、思うようにはいかないのは承知の上で、でも、自分の気持ちの中で何か引っかかりのあるものに関しては、必ず白黒付けて進もう!と。難しいですが、それはいつも心掛けています。

柴田直人・特別インタヴューPart2: プロローグ3と今後について(3/4)

3月 24th, 2010

プロローグ1&2

—-この25周年の「プロローグ」と夏のツアーが終わった後、さてどんな新作ができてくるんだろうと…。きっと、20周年の時のIMMORTALを超えるものができるんじゃないかな、と想像しているのですが…。

柴田:そうですね…。今、リハーサルの合間を縫って家ではギターを弾いたりして、「あ、なんか面白そうなアイデアだな」と思うようなものは、レコーダーに録っています。ギターだけだったり、リズムマシンとギターだけだったり、そんなふうにアイデアをちょこちょこ溜めてはいますが…。なんか、BLACK EMPIREでもIMMORTALでもないものが生まれるという感じはすごく強く持っています。レコーディングを延期した時には、何か新しいものが欲しいんだ…、というふうにこだわっていたのですが、少し時間が経って、今はそういう考え方じゃなくて、僕らの中から出てくるもの…、聴く人によっては新しいけれども、聴く人によっては毎作同じ…、それの一体何が悪いんだ!?、という感じがしています。ただ、作品としてのカラーは、IMMORTAL、BLACK EMPIRE、この2作とは、少し違うような気がしますがね。わかりません(笑)。

—-夏のツアーが終わって、果たしてどんなものがにじみ出てくるのか、実はご自身が楽しみだったりしませんか?

柴田:楽しみだと言っておきましょう(笑)。IMMORTALの時がそうだったように…。「僕らは楽しいんですけど、みなさんはどうですか?」と言った時に「俺達も楽しい!」と言ってもらえる、あのライヴ独特の空気は、本当にプレイヤー冥利に尽きるんですよね。そういうところからバンドを推進力をもらっている、と本当にライヴをやる度に思って、それは絶対に他に代えようがないエネルギーなんです。そういう結び付きは、バンドが何かを作り出すとても大きなステップになりますよ。だから、25周年の後に新作のレコーディングを行うのは、そういう意味でも、僕は正しいような気がしますね。

—-柴田さんご自身が考える、「ANTHEMはこれだけは絶対負けねぇ」という点は何でしょうか?

柴田:どうですかね…。自分のバンドを愛する気持ちはどのバンドも当然あるでしょうし、メンバーを信頼する気持ちも当然あって、その上でそれぞれのバンドが存在していると思いますから…。…ANTHEMが特別、他のいろんなバンドと違うことは無いと思います。

—-インタビューをしてみて、また、いろいろな記事を読んでみて感じているのは、曲に対するこだわり、作品に対するこだわり、ステージに対するこだわり、それぞれのレベルが違うのかな、と…。

柴田:うーん、僕はわからないですね…。ANTHEMが現存する他のバンドと違うものがあるとして、それが何なのか…。多分、ほとんどの部分において共通していると思うんですけどね。

—-要所要所にかける熱量なのかもしれませんね。中途半端をやらないんだ、と真剣に思っているところとか…。

柴田:そこは、あるかもしれませんが…、でも多分、みんなそうなんじゃないでしょうか(笑)。

—-例えばインディーズバンドのライヴを見ていて、もう明らかに酒を飲んできたな、というような人達もいますよね。

柴田:あ、僕らのライヴは、まちがいなくお酒を飲んだらできないので…。お酒を飲んでリラックスしたほうがいいような曲が多ければ、それは、度が過ぎなければいいと思いますよ。マナーとしてどうか、というのはちょっと置いといて…。僕らのバンドは1曲目が終わった段階で心臓のビートがものすごい数に上がっていく場合が多いので(苦笑)。

—-でしょうね(笑)。

柴田:(ライヴ前は)お酒はどっちみち無理じゃないですか? でも、自分達が納得できるパフォーマンスをするために、常日頃、すごく個人個人ストイックに生活はしています。もちろん、お酒は飲みますし、美味しいものも食べますが…。この間も、バンドのミーティングで、誰が言っていたのかな…、ロックンロールを表現するような3つの英語…。

—-「セックス、ドラッグ、ロックンロール」ですか?

柴田:えぇ。みたいなものを今どき一番に考えるのはどうかと…。それは、キャッチコピーとしては素晴らしいと思います。そして当時の時代背景としては正しい時も多分あったのでしょう。ですが、もしその時代にANTHEMが今の音楽性でいたとしても、これはANTHEMには向いていないよ、となっていただろう…、というようなことをメンバーの誰かが言っていましたね。いつも、変わらないんですよね。アマチュアの頃からそうです。やりたいことをやるために、できなければ練習しよう、と言って、ま、当時は若かったので、アクションの練習をするのにスタジオ入るお金がなかったので公園でやっていましたし。

—-公園!?

柴田:そこで、リハーサルで録音したようなテープをテープレコーダーでかけて、足でステージみたいに線を引いて練習していましたよ…。昔から、表現したいことは表現したいんですよねえ。それが完璧じゃなくても、そこを無視できないんですよ、自分達がね。で、そうやって練習してみると、「あ、こうだったな」「でも、ここはこうじゃないか?」というのが、必ず出てくるじゃないですか。そういうことをクリアしていくことが、僕らはすごく楽しい事だったんです。時々、「ここの部分が本当によかったです」と言われた部分が公園で練習したことだったりすると、「あ、やっと今になって出てきたのかな」と思い、すごく報われましたね。それは曲作りもそうですよね。ですから、特に自分達では意識して、他のバンドがやっていないことを狙ってやっているつもりもないので…。どうですかね…。その辺は見る方が、判断していただければいいと思いますよ。

—-ストイックさ、なんですかね…。

柴田:ま、ロックが好きなんですよ。そういう生き方が好きなのではなくて、本当に、自分達が影響を受けて、ああいう世界に入りたいな、と思っていた頃のロックの鮮烈さが未だにあって…。雰囲気や華やかさ、上手さ、ステージパフォーマンスとか、そういうことって、自分の頭の中にある鮮烈な記憶に本当に一歩でも近づきたい、自分達もそういうミュージシャンになりたい、という思いが、ずっとあるんですよ。だから、生き方を説いたり、成功するのに確実な方法…、というようなことをしゃべるつもりではないんです。本当に、みんなただ好きなんですよね。バンドをやって、オリジナルを作って自分達でロックする、というのが心から好きなんです。なので、それを本当に楽しんで、納得して続けるために、中途半端なことを置き去りにしないようにしよう、というのがひとつの教訓としてあるぐらいです、あとは何もないですよ。

—-シンプルですけど、そこは本当に大事だと思います。あの、柴田さんに言うのも失礼なのですが…。

柴田:いえいえ(笑)。やっぱり、納得して、楽しんで続けたいですからね。振り返った時に「本当に嫌な時代だった」と思うような記憶はできれば残したくないですし。例えばメンバーが交代したりした時期について、すごく暗い思い出がある方もいるかもしれませんが、「プロローグ3」で、森川も元気、ヒロヤも元気、大内も元気、トニーも元気、で、ANTHEMも今ある…、振り返ると、見ていただける方にもすごくいい思い出だった、という完結が、僕は一番素晴らしいと思います。だから、個人個人、好きなものにはのめり込まないとだめですよね(笑)。

—-「プロローグ3」は、25年の積み重ねを経て表現される、メンバー自らも好きなANTHEMが今ここにある、という感じですね。

柴田:そうですね。それを、お客さんにも観ていただきたいですし、快く参加してくれる3バンドには感謝しています。複数のバンドが出るいじょうは、「よーし、やったろか!」というのが全バンドにあるはずですから、すごく楽しめると思います。

—-ANTHEM 25th AnniversaryのTwitterのフォロワーの方より、是非「プロローグ3」はDVD化してほしい、とのリクエストがありました。

柴田:あぁ、それはレーベルの方に…(苦笑)。リクエストがありましたよ!?

レーベル担当氏:ありがとうございます。検討します。

—-あと、同じくフォロワーの方より、歴代メンバーとの共演はあるのでしょうか、とズバリきました。

柴田:「プロローグ3」のいくつかあるアイデアの中に、セッションもしようよ、というのは当然あるのですが、するかどうか、もしくは、したとしても、どの程度なのかは、まだ決まっていません。できると楽しいでしょうね!

—-では、当日をお楽しみに、ということで…。

柴田:はい。ま、あったとしても、それはサプライズというかプレゼントですので、それ以前に(本編を)楽しんでいただけるということを目指して、やります。

柴田直人・特別インタヴューPart2: プロローグ3と今後について(4/4)

3月 24th, 2010

プロローグ1&2

—-各バンド、ANTHEMの経験があるからこそ、このバンドがあるというようなところが見え隠れしていたりすると、また違った楽しみ方や発見が出てくるかもしれませんね。

柴田:そうですね。大内は多分、ANTHEMで叩いている時もTYOで叩いている時も変わりませんよ。彼はANTHEMにいる時からいろんなジャンルが好きで、それをヘヴィメタルに特化したフィルターを通して、彼の才能をみなさんに見ていただいた、というのが多分本当のところなのでしょう。ま、彼の信条である、とにかく楽しんでプレイする、っていうのは変わらないと思いますよ。トニーはね、実際ライヴで歌うのは、デビュー前に別れてから見たことがないので楽しみですね。個人的には年に一回ぐらいは会いますし、まぁ相変わらず風貌も変わらず、きれいな顔してるね(笑)、という感じですね。まあ、見所はいろいろあると思いますよ。

—-ファンのみなさんにも、いろいろ新しい発見があるといいですね。

柴田:はい。「じゃあ、来年もやろうか」というような企画ではありません。彼らの奮闘、そして、今のANTHEMというものを、ぜひ見に来てください。きっと新しい発見があると思います。

—-先ほどちょっとお話がありましたが、夏のツアーも今まさに同時並行で検討中、ということは、セットリストも何も、という状態ですか?

柴田:もう具体的にはいろいろ出てきてはいるのですが、「本当にこれでいいのかい?」「これはこうじゃない?」「あれはこうじゃない?」「これとこれの間ってこうじゃない?」みたいなことを、とにかく喧々諤々、頻繁にやっていまして。ですから、具体的なことをしゃべるには、もうちょっと時間をください(苦笑)。

—-「プロローグ3」が終わってから、と。

柴田:本当は「プロローグ3」までには、夏のツアーの内容を全部決めている予定だったのですが…。「プロローグ1&2」、そして控えている「3」、その全てを段取って仕込むのも、思ったよりも結構大変だったので、若干押しています。夏のツアーは「プロローグ」とは完璧に違って、正面切ってANTHEMの25年を紐解ける内容にするつもりですので、これはこれで期待していただいていいと思います。

—-ANTHEMヒストリーが、そのライヴでわかる、という感じでしょうか。

柴田:そうですね。

—-なるほど。で、それが終わった後、お楽しみのニューアルバム、というスケジュールですね。発売はいつ頃に…?

柴田:発売はどうしても来年になってしまいますね。春先までには、なんとか…。その間は、25周年のこのイベントで楽しんでいただければと。

—-6月には、この前の「プロローグ1&2」のライヴ盤が出ますね。

柴田:紙ジャケの7タイトル(1st~7thアルバム)も一緒に出るそうです。

—-お、そうなんですね!

柴田:それらとLIVE IMMORTALのDVDで年内は過ごしていただき、26年目を迎えるANTHEMへの期待を膨らませて下さい。

—-わかりました。ちなみに、「プロローグ3」までのスケジュールとしては、リハーサル、トレーニング、リハーサル、というような感じですか?

柴田:そうですね。今週末(3/12)からリハーサルが始まります。最初の何回かはチェックのためのリハーサルなのですが、あとは、週2~3回本番がある、というイメージでいく予定ですね。

—-では、4/10まで10回くらいは本番がある、という感じでしょうか。

柴田:そうです。リハーサルツアーですね(笑)。

—-なるほど(笑)。

柴田:いろいろ言いましたが、結局最後に控えるANTHEMが大したことない、口だけのライヴだった、というわけにはいきませんからね、ここはやっぱり、通常のツアー以上に、エキサイトしたものを見せたいですね。期待してもらっていいと思います。

—-楽しみです! あと、マーチャンダイズは「プロローグ3」専用のものはありますか?

柴田:「プロローグ3」専用のものがあります。「プロローグ1&2」の会場で出したTシャツも販売することを計画中ですが…、BOXXは300人限定だったので、当然、買いたくても買えない方がいらっしゃったと思います。なんとかCITTA’に集まって下さる方で、BOXXに来られなかった方も購入していただくことができるようなパターンを模索中です。

—-なるほど。では、発表できるタイミングになりましたら、教えてくださいね。

柴田:わかりました。

—-最後に、「プロローグ3」に賭ける意気込みをいただけますか?

柴田:はい。一番初めにも言いましたが、これは単なる異種格闘技ではく、単なるお祭りでもありません。なぜならば、ANTHEMの血統を持つ彼らは、CITTA’に集まって下さったみなさんの前で、間違いなく全力以上のものをやる覚悟でいます。そして、それを受けてANTHEMが余裕で、というわけでも当然なく、それはもう喰い尽くすつもりでいきます(笑)。これはケンカではなく、全員が本気だということですね。僕は、その中からきっと何か共通項が見えるはずだと信じています、それをご来場のみなさんにもうっすらとでも感じていただけることで、ANTHEMの25年を感じられ、7月の本ツアーを控えた「プロローグ」シリーズの締めとしては多分相応しいだろう、というふうに今信じています。是非、それを目撃しにいらして下さい。

—-ファンも本気で参加してもらいたい、という感じでしょうか。

柴田:そうですね。それぞれの生き様を観てください。

—-ありがとうございました!

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柴田直人・特別インタヴューPart1: プロローグ1&2を振り返って(2/2)

3月 20th, 2010

プロローグ1&2

—-なるほど。その中でも、2日間で、Bound To BreakとラストのHeat Of The Nightだけはかぶっていたのですが、そこに何か意味があるんじゃないかと僕は思っていたのですが…。

柴田:そうですね。新旧色々なファンの方と、新旧色々な曲を楽しみたいという思いと共に、どこかに振り返るだけでは満足できない…。これが25周年のために解散していたバンドが集まるなら別なのですが、やっぱり今やっているバンドですから。そして、そのかぶっている2曲っていうのは、たまたまなのですが言われてみると、やっぱり僕らが今動く原動力になるものの中から出てきた曲だと思いますよね。だから、曲選びの時に、そういう形で締めることが僕らにとっては特に難しいことなく、ただ自然だったという感じなのですが…。

—-これが今のANTHEMだと。

柴田:そうですね。そこまで見てもらえれば、一通り企画としては収まりがいいかな、という感じですね。

—-なるほど。特にその「プロローグ1&2」のライヴでこだわったところってありますか? 例えば、音響面だったり、衣装だったりとか…。

柴田:残念ながら、清水デビューの頃の衣装はもうさすがに清水も僕も持ってないですし、ひょっとして持っていたとしても着られないでしょう…(笑)。

—-息ができない衣装とか…(笑)

柴田:まぁ、みてくれに関しては、こだわりたい人間が自分の中の遊び心でこだわればいいんじゃないかと思いましたね。僕はたぶん黒のジャケットかなんかを着ていたので、ジャケットを着て出ましたけど。まぁ、あとは特に衣装にこだわることはなかったのです…。何よりも、自分達で生み出した曲だけれども久々にやる曲があったり、初めてやる曲があったり。そこだけ異質になるのも嫌だし。2部はライヴレコーディングにしていましたが、だからと言って、ただ単に綺麗に演奏して録音する、っていうのでは、ベストアルバム(CORE)の時にやったスタジオライヴと特に変わらなくなってしまいます。お客さんがいて、ライヴをやっているのを録るわけですから、曲に入り込むことだけ考えようと。音響はPAのほうに任せて僕らは余計なことを考えないで、やる曲だけに全てを集中して、聴きたい人にはじっくり聴いてもらい、ノリたい人はノッてもらい…。という感じでした。今日はライヴレコーディングがあるから、今日の場所は此処だからってことも全然関係なく、成功しても失敗しても、一発一発全力投球っていうんですかね。それがすごく自然にできるようになってきたのが、「プロローグ1&2」を終えられた一番の原因かも知れないっていうふうに、後で思いましたね。だから、凄く楽しかったっていうのは多分そういうことなんだと思うんですよ。あー、入り込んで演奏した!っていう。まーちょっと初日の1部は入り込み過ぎたのですが(笑)。

—-結果、楽しかった、という気持ちになったのは、事前の入念なリハーサルであったりとか、ミーティングだったり、そういうのがあったからこそかな、と想像するのですが。

柴田:だといいですね。全員、自分に課題を持って追い込みましたから。高い山に登ってみたら気持ちよかった!みたいなことかもしれないですよね。

—-この2日間を聴いて、改めてANTHEMってやっぱり物凄くタイトだなって思ったんです。そこのところは何か気にされていたりはしますか?

柴田:もちろん、きちっと演奏しなきゃ、と基本思ってやってはいます。ただ今回は、間違わないようにしなきゃとか、リズムをぴったり揃えなきゃとか、そういう意識ではやっていません。IMMORTAL以降、ライヴでは特にね。ずるずるの演奏をしようというのではないんですよ。何かすごいものを産むためには、自分が自分でなくなるというか、自分がその曲に取り込まれるぐらい入り込んで演奏する。その中で、多少のずれがあるとか、ミスがあるとかというのは、僕はライヴとしては全くありだと思いますから。それが聴き苦しいほどになるのは、ミュージシャンとしてはいかがなものかとは思いますが…。このメンバーでもう大方10年やっていますから、彼らが何を考えてどういうプレイをしているのか、というのは、どこにいても聴こえるので、そういうことでもどんどんどんどん触発されていきます…。でも、すごくタイトだった、というのは嬉しいですね。僕らは、そういうことは100%意識しないでやっていましたので。

—-ANTHEMって、例えば3~4分の曲の中に、実はそれぞれのパートに音数が多いと思うんですね。でも、実際ライヴでは、それらが、それぞれ音像がくっきりしていて、でもとまっていて、走ることもなく、もたつくこともなく、というのをあの「プロローグ1&2」ではすごく感じたんです。それは、リハーサルあってのことなのかな、ってずっと考えていたんですよ。

柴田:どうでしょうね。もちろん、日々上手くなりたいとか、もっと良いアンサンブルはないか?というような思いは音楽をやっている限り消えることはないです。ですが、それにこだわるだけではなくて、その向こう側に僕はすごくROCKなものを感じるんですよね。僕らの曲も、アンサンブルなどの成り立ちも、緻密なプログレバンドのようではないので、完全再現をすることよりも、もっと強烈なインプレッション、インパクトをライヴで出さないと、なによりプレイしていて僕らがつまらないんですよ。

だから、何年か前にやった曲をまたやる場合、その時とフレーズとか、、何もかも全く同じっていうのはつまらない。そういった事もリハーサルに入る前のひとつのテーマでした。たとえばその時に興奮したら、必要以上にフィルが多くなったり、ベースがずっとチョーキングしていたり、リードギターがスタジオ版と違うなんていうのは当たり前で…、もちろんその曲のテーマになるようなものは崩さないのですが。言い方が悪いのですが、曲はもうある、進行も全部決まっている。「さぁ、それを好きなようにやろうや…、どうなるのかなあ?」という感覚ですね。勿論それでもバラバラにならないとは思いましたよ。僕がリハーサルの度に言っていたのはそういうことで、そこには結構厳しかったですよ。「こんなの何年も前と同じじゃん」っていう…。自分達がいつも新鮮にやる秘訣っていうんですかね、自分達が「もっとできる」「もっと面白くできる」って思いながら楽曲にトライして、新たな自分を発見していかないと、いつかの自分達のコピーをするなんていうのは馬鹿げている、という感じがします。

—-それが、曲にのめり込む、ということと、ニアリーイコールなのでしょうか。

柴田:そうですね。例えば、会場の大きさ、お客さんの空気、会場の温度もそうですよね。もしくは、当日のサウンドチェックのフィーリングとか。全く同じ機材で同じ人間が弾いても、音は微妙に違うとか、そういうことがあるように、同じものはないんだっていう感覚なんですよね。

—-あと、その2日間、GYPSY WAYSしかりHUNTING TIMEしかり、言ってしまえば20年以上の曲が、かなりウェイトを占めていましたが、それぞれが現代のANTHEMになっているな、と思ったんですよね。

柴田:そう言っていただけると、リハーサルを繰り返す甲斐もありますね(笑)。

—-作品自体は同じだけれど、曲にのめり込んで、ライヴでは同じことをやらず…。その一瞬一瞬でのパフォーマンスに魅力がある、というのが、今のANTHEMなんだろうな、とすごく感じました。

柴田:ありがとうございます。結果的に、まぁ清水が「俺はこう弾く」、本間(大嗣/ds)君が「俺はこう叩く」、(坂本英三<vo>が)「俺はこう歌う」っていうのが、現状一番自然なんですよね。だから、楽曲を下敷きにするので全く違う曲になることはないんですが…、そこでみんなで寄って必死に単なるコピーするというのではね…、それを見せるというのは、すごく失礼なような気がします。バンドが現在を…、最ものめり込んでいる姿を見てもらう、っていうのが、ライヴなんじゃないかなと思います。

—-それが、ANTHEMが毎回ライヴに人を引き寄せる秘訣、というか、魅力なのかな、というふうに思ってきましたね。

柴田:いずれにせよ僕らはそういうやり方しかできませんよ(笑)。反省すべきところはいっぱいあるのですが、楽しく、自分達が率先してのめり込む、です。そういった時に極端に演奏が破綻したりしないようなリハーサルをやればいいんだと思うんです。

—-今、その、反省、という言葉が出てきましたけれども、振り返って「わー、失敗したなー」というところが、「プロローグ1&2」にあるとしたら、どういうところですか?

柴田:敢えて言うならば…。例えば倍の時間リハーサルに使っても、4倍使っても、初日っていうのは思っている以上に力が入るんですよね。いきなりVenom Strikeやってみたところ、きついんですが「こういう精神状態で、こういう考え方でステージの板の上に上がるのって、やっぱり絶対気持ちいいよな」って思ってやっていたら、「プロローグ1」の1部を飛ばし過ぎて(笑)。ちょっと矛盾するかも知れませんけど、「もうちょっと演奏ちゃんとやればよかったな」(笑)と思うところもありましたよ…。初日の1部が終わった後に楽屋でみんなと話していたのですが、他の3人も「いやー、僕はあれがありましたよ」「これがありましたよ」と言っていましたが、特に深刻ではなかったです。初日の最初30~40分はやっぱり難しいんですよね。でも、そういうことを考えないでガーッといったのも、結局さっき言ったような一期一会というか、そのライヴはたった一回だけ、同じものは二度とない、という感覚だったんだと思うので、反省というか…、まぁ最初は全員力が入るということです…。

—-あと、ANTHEMのTwitterのフォロワーの方より質問がありました。「それぞれの第1部第2部で、音がちょっと違う気がした」と。「敢えて変えたのかそれとも空耳なんですかね?」とのことなのですが…。

柴田:音が違う?え、それは「プロローグ」…?

—-えーと、「1」か「2」か特に指定はしていなかったのですが…。意図的に何か、例えばPAを調整したとかありますか?

柴田:どうでしょう…、PAの人間が変えたかどうか僕はわからないのですが…。変わって聴こえたのだとすると、やっぱり1部は、特に「プロローグ1」ですが、久しぶりのコンサートの頭1時間ぐらいってことで、かなり飛ばして力が入っていたり…。あとは、テーマが清水の初ライヴってことで、僕なんかは個人的にものすごく思い入れが当然あるし、清水は当然そうでしょうし…。あと、2部はライヴレコーディング、アルバム1枚、っていうことで、全く性格の違う、プレイヤーサイドから言うと、もう本当に信じられないほど内容の違うものが二つ組み合わさっている企画なので、そういうことでプレイにも影響したのかもしれませんね。

柴田直人・特別インタヴューPart1: プロローグ1&2を振り返って(1/2)

3月 19th, 2010

ANTHEMがデビューしてから今年2010年でちょうど四半世紀。それを記念して今年は「ANTHEM 25th Anniversary」と題した数々のライヴが行われる。先月の2/24~25、その皮切り公演である「プロローグ1」「プロローグ2」は見事SOLD OUT。未だ衰えぬパフォーマンスを見せてくれるANTHEM、その司令塔である柴田直人<b>にその2公演、そして来る4/10の「プロローグ3」について語ってもらった。


Part1: プロローグ1&2を振り返って

柴田直人

—-「プロローグ1&2」、あの驚愕の2日間全40曲を終えられて、まず素直なご感想をいただければと。やってみていかがでしたか?

柴田直人(以下柴田):とにかく、2日間連続でかなりの曲数があるということ、1日目の1部2部、2日目の1部2部が、基本的にほぼ別のものであるということで、とにかく過酷だろうな、というふうには思っていました。2/25(プロローグ1公演日)が清水(昭男/g)のANTHEMでのデビューと同日だったということ、僕らは25年間の要所要所でリスタートをしてきたこともあり、“スタート”を1部のテーマにおいて構成しました。思っていたよりも過激というか、ちょっと大変でしたが(笑)。同時に、思っていたよりもずっと楽しかったですね。久しぶりに、手強いことを目いっぱいやりながら楽しむ、そういう感覚を味わいました。

—-ANTHEMらしい感じですね。

柴田:そうですね。多少無茶してもやりたいと思った事をやる、、というのがバンドの活動方針ですからね。2日連続でああいうことをやったことがないのですが、まぁなんとかなるだろう、と思ってやってみたところ、思っていたよりも遥かに楽しかった、というのが率直な感想ですね。

—-楽しかった、というのは、メンバー全員一致した見解ですか?

柴田:そうですね。まぁ、1部と2部の間の楽屋では、みんなグッタリして静まり返っていましたが…(笑)。

—-(笑)。

柴田:終わってしまえば、たまにはこうのもいいんじゃないかなという感じはしました。

—-「プロローグ1」は清水さんのデビューライヴの日と一緒だったのですが、それは偶然の一致だったのですか?

柴田:そうなんです。2.25という、その数字の並びに記憶があって、これなんだろうなんだろうって話していまして。最終的にミーティングで、「あれ、清水のファーストライヴは確かCD(DOMESTIC BOOTY)出す前のパワーステーションだよな?」っていう話が出てきて、検証してみたところズバリでした。その時点であの2日間の内容がほぼ決まってしまったといっても過言ではないです。

—-セットについて、20周年の「プロローグ1&2&3」では1stから3rdまで追いましたが、今回GYPSY WAYSとHUNTING TIMEと、というのは、あらかじめ考えられていたのですか?

柴田:SHIBUYA BOXXは当然考えられますが、会場としてCLUB CITTA’で何かやりたいというバンドの意向はあったんですよ。で、今回のSHIBUYA BOXXとCLUB CITTA’の内容が全く同じ形で進むのは、箱の大きさであるとか、いろんなことを考えた時に、少し変だなあと。だとすると、BOXX、CLUB CITTA’、両方の箱の特性を上手に活かせるものは何だろうっていうことを考えたんです。20周年の時もBOXXでアルバム3枚の完全再現をやりましたから、今回のBOXXも完全再現はやろう、っていう基本的なアイデアがスタートの時点ではあったんです。でCLUB CITTA’はどうする?という話になって、スタッフミーティングやバンドミーティングをした時に、やっぱりせっかく25周年なので、例えば、ただバンドのメンバーが飛び入りで参加するとか、アンコールで出てくるだけっていうのもつまらないし、(または)現行のANTHEMのコンサートだけを敢えてそこでやるか、もしくは何だろう?と。そう言っていた時、スタッフやバンドの中から出てきた意見の中に、ヒロヤも大内も森川もバンドをやっていて、彼らのバンドとANTHEMは音楽的には全然違うけど、バンドどうしって同じステージに立つと化学反応があったり、意識し合うことがあったり、そういうことってないのだろうか、っていう意見が出てきまして。それがヒントになって、じゃあ一度もやったことないから、何かやってみようか、っていうことで、そこから計画を立てて、彼らにこういう企画はどうだい?って聞いてもらって、それで了解をもらったんです。

—-なるほど。

柴田:20周年の時に1、2、3枚目をやって、キング(レコード在籍)時代に7枚出しているので、あと4枚。で、今回それを「1&2」でやるとなると、あと2枚残りますよね? NO SMOKE WITHOUT FIREとDOMESTIC BOOTYってのが。で、1部2部でそれも一緒にやっちゃう?という話もあったんですけど(笑)。

—-強烈! それはそれで、見てみたかった気持はあるのですが…(笑)。

柴田:でも、それは多分、無謀を超える(笑)可能性があるので…。僕らは常に、「5年後は25周年」「さらに5年後は30周年」なんてことは考えて活動はしていませんが、まあそういう意味で考えてみると30周年もあるじゃないかと。運よくたどり着けたらそこで(30周年)やろうと思えばできますし。30周年まではANTHEMはあるのだ、というふうにポジティブに捉えてくれる方もいるのかも知れないですしね。まぁとにかく難しいことは考えないで、できることをやろうよ、という感じで「1&2」のピースが決まって。じゃあ1部どうする?となった時に、さっき言ったように2/25っていうのがありましたので、コンセプトを “スタート” にしようと。清水のファーストライヴと、あと何にしよう?となって、そりゃSEVEN HILLSツアーでしょう、と。ということになって、全てのピースがはまった感じです。

—-清水さんのそのファーストツアーのセットが、イコール第1部、なんですか?

柴田:はい。(それを)モチーフにして、例えば2部でやるものとかぶっているものを抜いたりはしているのですが、基本的に清水のデビューライヴの曲順と曲目を参考にしてやったんですよ。

—-なるほどなるほど。

柴田:GYPSY WAYSからの曲を抜いたりしなければいけなかったので、1部の初っ端がVenom Strikeっていう、もういきなり無謀な…(笑)。

—-でも強烈なオープニングだったと思いますよ。

柴田:Mr.Geniusっていう曲をライヴでやるとか、いろんな意味もあって、そういうのはやっぱりこういう時じゃないとなかなかできないので、まぁいいだろう、という感じですね。

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